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気仙沼市沖ノ田川の堤防 20160916 [東日本大震災]

 こんにちは、ヨコミーです。
 ここは気仙沼市本吉町風の丘。
 今日は朝から小雨でした。
 外気温は低そうですが、室内は25度あり、湿度もやや高いので、少し蒸し暑い気がします。

 さて、9月16日は車の修理があり、気仙沼の街に行って来ました。
 その帰路、前から気になっていた旧・本吉町の北部を流れる小河川・沖ノ田川の堤防工事を見て来ました。
 気仙沼の中心街から、車で国道45号を20分余り南下すると、旧・本吉町との境が在り、越えて間もなく右手に
20160916 沖の田川堤防 w1024 DSC_0978.jpg
 こんな風景が見えてきます。国道は写真左の外側(^-^;
 この辺りは水田地帯でしたが、東日本大震災による大津波で、すっかりと流されてしまいました。

20160916 沖の田川堤防アップ w1024 DSC_0987.jpg
 国道から川の左岸を100m近く遡りました。堤防工事は、ここから上流(右奥)へ進んでいったようです。
 堤防は大津波で壊れもしましたが、川を遡上する津波から耕作地を守ろうと、大きな堤防造りが進められています。

20160916 沖の田川左岸 w800 DSC_1012.jpg
 せっかくなので、ちょっと登ってみました。
 右手に見える水田は、稲が頭を下げつつあります。でも、この海側は、耕作出来ないでいる所も有ります。

20160916 沖の田川堤防上から w800 DSC_0996.jpg
 堤防の内側は、見た目では、タイル状の製品を並べた感じ。
 川底が狭いですが、将来上流から石が流れて来て、埋めてくれることを期待しているのでしょうか。
 この堤防の斜面を見ると、「やはり」という感じがしました。
 ヨコミー、国道を走っていて、チラッとだけしか見ませんけど、滑りそうに感じていました。

20160916 沖の田川上アップ w800 DSC_0993.jpg
 滑って川の中に入ってしまったら、ところどころに、思い出したようにある階段で登ってくれば....、という考えも有るでしょうけれど、ヨコミーは滑って入ること自体が危険だと考えています。以前から。
 今年7月、仙台市の3つ北隣の大衡村で、農業用のため池で釣りをしていた親子3人が、水死する痛ましい事故が有りました。
 この事故について、水難事故に詳しい、新潟県長岡市の大学教授が調査に来られ、岸がこの堤防のように緩やかな傾きのコンクリート製で、水際の苔などで滑って落ちたものだと、テレビは伝えていました。
 多分子供さんが落ちて、助けようとした父親まで滑ってしまったのでしょう。本当に悲しい事故でした。
 沖ノ田川は、簡単に言えば西から東に流れている川なので、南側の岸は日当たりが悪く、湿りがちで、堤防の水際には水苔や藻が育ちやすい感じ。まあ、ヨコミーは植物の専門家ではありませんので、ひょっとしたら北側にも!????

20160916 目地 w800 DSC_1000.jpg
 堤防の素材の拡大写真です。
 右側が肩の部分。左に下がる斜面を形作るのが左上と左下のコンクリート製品。その間を、タイルの目地を埋めるみたいに、モルタル!?が有ります。
 この製品は、このままでも滑り易そうなので試したいところですが、ヨコミーはまだ身体のあちこちが痛いので、更なる怪我で上塗りをしたくないし(>_<) 、帰路、道の駅でホヤおにぎりを買いたいので、濡れた姿で行くのも嫌なので、人体実験は諦めました(^-^;
 ヨコミーは素人ですが、この斜面は、どうしてもコンクリートなら、1000歩譲って、階段状にします。
 津波と違って、正面から流れを受け止めるのではなく、右から左へ流すので、抵抗はないはず。
 しかし、これでも、生物に対する配慮がありません。なんとかしなきゃ(>_<)

20160916 沖の田川工事東端 w800 DSC_1001.jpg
 堤防工事の東端です。
 未整備の左端と比べると、結構な高さです。でも、これで、前回同様の大津波が来たら、遡上する海水から守ってくれるのかなぁ.....。河口に水門でも作るのかなぁ....。うーん、ヨコミー、勉強不足(>_<)
 でもこの川は、将来、天井川になってしまうのでは....と心配(>_<)

20160916 沖の田川工事下手 w800 DSC_1002.jpg
 更に下手です。左上に見える緑のフェンス(?)の手前が国道。国道左端の上に見える白は、一部完成した河口付近の堤防です。

20160916 沖の田川河口側 w800 DSC_1003.jpg 
 更に下手の河口側です。川土手はこんな感じ。
 右上の丘に在る家々のすぐ向うは切り立った崖で、下は海ですが、割と小高い所なので、大津波から残りました。
 しかし、丘の右手(写真の外)、国道が緩く登った所(通称「大谷の街」)ですが、写真正面の海から津波が登り、国道両側の家々が被災しました。そう、津波は登ります!!!!
 正面上から左側が、河口側の堤防工事です。
 左上の電柱に重なっていますが、松が数本生えた小島が見えます。その左に小さな半島が有り、この辺は、このブログの7月23日付けで掲載している「赤い月 掘出物の写真から」の中にある、陸繋島です。
 因みにこの松林は、大津波に耐え、今も元気で過ごしています。正に「奇跡」です(*^_^*)
 その頑張る姿を、是非、見てやってください。「流されない」という御利益があるかも!?? (^_^)v
 この島、見栄えの良い姿で、近日掲載したいと思います。

20160916 鳥飛ぶ w640 DSC_0981.jpg
 この堤防を撮影しようと、1つ上の写真の位置に車を停め、外に出たら、少し川下にいた、やや大きな鳥が飛び立ちました。
 もっと静かに出るのでした。それでも、車に戻った見たら半ドアでしたが(^_^;)

20160916 鳥立ち h640 DSC_0983.jpg
 ちょっと降りた所で、もう1枚。名前知らずの鳥。ヨコミー、理科大好きですが、鳥はなかなか.....(^_^;)

 堤防の内側の斜面は、このままでは危険です。
 大衡村の事故以前に、似たような「造り」が原因で水難事故が起きているのに、行政は、業界は、どうして動かないのでしょうか。
 フェンスを回して立ち入りを禁止するのが、適正なる対応だと思っているのでしょうか。
 元来、池や川、海岸では、釣りやいろんな遊びで自然と触れ合っていたはず。そこでいろんな事を学びます。
 いろんな思考を巡らさず、ただ単に施設管理の問題として片付けようとするなら、本当に安易であり、残念です(>_<)

 堤防の滑りやすさだけじゃなく、生物に優しい造りになっていないことも、残念なこと。
 すっかりコンクリートに覆われ、草刈りが必要無くなるので予算が浮くのでしょうけれど、川岸の草の下には小魚が住み、石積みの土手には潜り込む魚類も居ました。
 川のいろんな地形によって、川には浄化作用が有るとも聞きます。あれでは、汚れは真っすぐに海へ向かいます。まあそれ以前に、川を汚してはいけませんが(>_<)

 新聞や雑誌では、時折先進的な「川造り」が取り上げられていますが、まだまだ広がりません。
 コストは上がるのでしょうけれど、そこは自然に優しい川造りであり、行政や業者の「売り」にもなるでしょう(*^_^*)
 また、切磋琢磨し、コストを抑えながら、こんなにいい設計が出来た....とやってくれる設計屋さんは、居ないものなのでしょうかねぇ。
 ヨコミー、設計屋さんになるには、時間とお金が不足しています。あっ、頭も、かなっ(^_^;)

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川崎フューチャー・ネットワーク 三枝

初めまして。
沖ノ田川の堤防について調べていて、こちらに辿り着きました。
ぜひ、リンクさせてください。
自然豊かな地域の真ん中に、それを遮断するかのような巨大なコンクリート堤防に、正直、ショックを受けています。
ぜひ一度、現地を訪れて、実際に目にしてみたいと思っています。
by 川崎フューチャー・ネットワーク 三枝 (2017-10-12 16:13) 

yokomi

 こんにちは、川崎フューチャー・ネットワークさん。沖ノ田川は今、目立つ工事は国道東側の河口付近が主かと。海岸の防潮堤工事も進んでいますし。是非、ここ沖ノ田川の改修工事を反面教師として、行政を始め多くの方々に見て頂きたいと思います。特に建設業界の方には、自然にも優しい、先駆的な河川改修を行政に提案して頂き、大儲けにつなげて頂ければと(*^_^*)   悲劇が起きた石巻市立大川小学校の記事でも触れましたが、堤防の内側は、同校西の新北上川南側に隣接する小河川のようであれば...と思うのです。「外側」は勉強中(^_^;)  「自然豊かな地域の真ん中に、それを遮断するかのような....」という面では、同じ旧町内小泉地区の防潮堤・河川堤防も、ついでに見られては如何でしょうか。  確か国の津波を防ぐ対策の一つに、①第一段階として海岸を大きな防潮堤で守る②第二段階として少し陸側の、海岸に並行して走るA道路を嵩上げして陸の防潮堤とする③第三段階として更に海から離れたB道路を嵩上げして陸の防潮堤とする....そんなメニューがありました。ヨコミーのイメージとしては、広い仙台平野のようなところで、海岸の防潮堤、そして嵩上げする県道、更には高速道で津波を防ぐ、いい方法だなぁと、勝手に思っていました。高速道路までは海から2~4kmです。  ところが小泉地区は、海から凡そ1kmという狭い範囲に防潮堤、高く造り替えられた国道、北へ延伸してきた(大きく盛り上げられている)高速道の工事が進んでいます。ここの様子は、今年8月29日付のブログで、墓参りに併せて紹介していますが、巨大防潮堤容認のヨコミーでも、その異様さには、ただただ呆れるばかりです。昔は防潮林の近くまで広がる水田地帯でしたのに(>_<)  多分、既存の計画と、新たに出てきた災害復旧が、大したすり合わせも無く、バタバタと進められた結果なのでしょうね。復旧復興景気の恩恵に与れなかった身の僻んだ目で見れば、復興予算が無駄に建設業界へ流れたとしか見えません。巨大防潮堤容認のヨコミーでも、そう思うしかないのです(>_<) 本格復旧が3か月や半年遅れても、しっかりと調整し、地域にふさわしい防災工事をして欲しいと思いました。  特に、今心配されている東南海地震等による被害が予想される地域の方々には、行政も含めて是非見学して頂き、各地域の復旧復興計画をすぐさま検討して頂きたいとヨコミーは思うのです。オープンに、です(^_^)v  あっ、立派なブログではありませんが、何かのきっかけになればと思うので、リンクは構いませんm(_ _)m
by yokomi (2017-10-12 23:32) 

川崎フューチャー・ネットワーク 三枝

詳しいお返事、ありがとうございました!
facebookですが、沖ノ田川のことを取り上げた記事にコメントとして、ご紹介させていただきました。
https://www.facebook.com/kawasakifuture/posts/1508664132512466?notif_id=1507514978634406&notif_t=like

また、いろいろと詳しいお話を聞かせてくださり、ありがとうございます。
おっしゃるように、この川だけが問題なのではなく、東北各地の海岸・河川で、復旧工事の名のもとに、海が見えない巨大堤防などを含め、似たような工事が行われていると思います。生態系保全を考える視点からは、とても胸が痛む事例に感じます。おそらく、地元の方も、これらの巨大はコンクリート建造物は、想像以上に圧力があると感じられるのではないでしょうか…。

3.11後、東北の各地を訪れさせていただいた際、石巻周辺で、大変大きなかさ上げと堤防工事が進められているのを目にしました。地元のタクシーの方にご案内いただいていたのですが、非常に複雑な心境をお話しくださいました。
また、その直前に山の中の道を走っていたのですが、その途中、大規模な土を削る現場をいくつも通ったのですが、かさ上げには、それらの土を運んで盛っているわけですね。単純にかさ上げ工事だけ見ているとわかりませんが、人があまり通らない山の中で、山の形が変わるほどの(実際には裏面なので表からはわかりませんが)土が運び出されている。これからも、きっと更に削られ続けるでしょう。そういった裏面も含め、どう考えていったら良いのか、考えています。

いつになるかはわかりませんが、ぜひ実際に、現地を訪れてみたいと思っています。その際には、また、ご連絡させていただきますね(^^)。
本当にありがとうございました。
by 川崎フューチャー・ネットワーク 三枝 (2017-10-14 09:14) 

yokomi

 川崎フューチャー・ネットワークさん、こんにちは。そう、盛土の「土」にまで、関心を持ちたいですね。気仙沼から国道284号を西へ進み、一関市川崎町薄衣で別れ、北上川沿いに一関の市街地へ向かうと、JRの鉄橋を過ぎてから右手にとても大きな土取場・採石場があります。10年経っても20年経っても30年経っても、山は崩れたまま。緑化もされず、何の建物が建つことも無く、ただただ削られています。ヨコミーはシャイなので、割と裏道を通ります(^_^;) すると震災後、このような場所が増えたなぁと気付くのです。もったいないなぁと。例えば、山を削って防災集団移転の団地を作るとか、海に近い高速道路を更に山側へ移すとかの工事で発生した土石なら十分に理解できるのですが.....。  海が見えない巨大堤防は、確かに心が痛みます。ただ、守られる自然景観もあり、複雑です。ヨコミーが生まれた気仙沼市鹿折地区。あの300tもの船が打ち上げられた所よりも海に近い所まで、チリ地震津波以前は水田地帯でした。でも、防潮堤は在りませんでした。海水が入った田は稲作に使えず、ドブ沼状態。その後しばらく経って埋め立てられました。  今ヨコミーが住む市内本吉町の日門地区は、県事業の防潮堤計画がなかなか進んでいません。反対派はもちろん居るのですが、防潮堤賛成のヨコミー達やある古老も、半端な計画に反対の手を上げました。更にその計画は、耕作者の意向とかで水田を守らない設計となっていました。驚きです(>_<) 一般的に、被災した水田からボランティア等が瓦礫を拾い、税金を掛けて土を入れ替え復旧したであろう水田が、どうして守られないのでしょうか。県の計画では、大きな津波でなくても水田に浸水します。そこからまた人手と税金を投入するのか、鹿折地区みたくドブ沼になり、水田は消えて行くのか....。反対派の方には、その辺りまで考えて欲しいのです。例えば、浸水地域は全て簡易な公園や運動広場程度のみとし、ちょっと嵩上げして事業所を作ったり、盛り上げて宅地を造ったりすることを禁じるのなら、巨大防潮堤は不必要と思うのです。でも、残念ながら平地が少ないこの地域。防潮堤で守っても確保しなければならない土地が多いと思います。ただ、コンクリート打ちっ放しでいいのはオフフィスビル程度ととし、防潮堤は周囲に配慮した色や造りにするとか、更には何かと兼ねる構造にするとか、知恵を絞りたいものです。
  川崎フューチャー・ネットワークさん、いつかこの地もご覧頂ければと思います。多少でも、より良い方向へ進められればと思います。
 ありがとうございますm(_ _)m
by yokomi (2017-10-14 13:37) 

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